2013年大学入試センター試験数学1A第1問[2] 命題と集合

この記事では、2013年大学入試センター試験数学1A第1問[2]を解説します。

なお、後日この記事は修正を予定しています。








★「青本」2019年数学★「赤本」2019年数学


■ 問題

第1問

[2] 三角形に関する条件p,q,rを次のように定める。

   p:三つの内角が全て異なる
   q:直角三角形でない
   r:45°の内角は一つもない
          _       _ _
   条件pの否定をpで表し、同様にq,rはそれぞれ条件q,rの否定を
  表すものとする。
                        _
  (1) 命題「r→(pまたはq)」の対偶は「[ク]→r」である。
  [ク]に当てはまるものを、次の{0}~{3}のうちから一つ選べ。
             _  _     _         _   _
 {0} (pかつq)  {1} (pかつq)  {2} (pまたはq)  {3} (pまたはq)

  (2) 次の{0}~{4}のうち、命題「(pまたはq)→r」に対する反例となって
  いる三角形は[ケ]と[コ]である。
  [ケ]と[コ]に当てはまるものを、{0}~{4}のうちから一つずつ選べ。
  ただし、[ケ]と[コ]の解答の順序は問わない。

 {0} 直角二等辺三角形
 {1} 内角が30°,45°,105°の三角形
 {2} 正三角形
 {3} 三辺の長さが3,4,5の三角形
 {4} 頂角が45°の二等辺三角形

  (3) rは(pまたはq)であるための[サ]。
  [サ]に当てはまるものを、次の{0}~{3}のうちから一つ選べ。

 {0} 必要十分条件である
 {1} 必要条件であるが、十分条件ではない
 {2} 十分条件であるが、必要条件ではない
 {3} 必要条件でも十分条件でもない

※マル1は{1}、マーク部分の□は[ ]で表記しています。

まずは自力で解けるところまで解いてみてください。自分なりの考えを持ちながら
解説を読むと、考え方をスムーズに習得でき、短期間でも大幅に実力アップ!


■ おすすめ問題集

2017年の大学入試センター試験数学1A2Bを詳細に解説しました。今回の問題にも活用できる項目があります。





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■ 解説目次

 ◆1 逆・裏・対偶
 ◆2 必要条件・十分条件
 ◆3 「または」と「かつ」が入れ替わる
 ◆4 時には華麗にスルー
 ◆5 p,q,rを再確認して
 ◆6 反例は成り立たない例
 ◆7 そのままなら十分、逆なら必要
 ◆8 まずはr→pを考える
 ◆9 そしてr→qを考える
 ◆10 逆も同様に

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 ◆1 逆・裏・対偶

2013年第1問[2]は、命題と集合などの問題でした。
実際の問題に入る前に、逆・裏・対偶について簡単におさらいしておきましょう!
「そんなの知ってるよ!」という人は、◆1,2は飛ばしてもらってもOKです。

命題「pならばqである」があるとき、一般に次のように定義できる。

  逆・・・「ならば」の前後を入れ替えたもの。qならばpである。
                          _   _
  裏・・・もとの命題の補集合(あてはまらないもの)。pならばqである。
           _   _
 対偶・・・逆かつ裏。qならばpである。

つまり、「逆は前後を入れ替えたもの。裏は補集合。対偶は逆かつ裏。」と
覚えよう!

そして、命題が成り立たない場合の例を「反例」といい、
一つでも反例が見つかったら、その命題は「偽」と判断する。

反例が一つもないものを「真」と判断する。

ちなみに、もとの命題と対偶の真偽は必ず一致し、そのことを使って証明を
する場合もあると頭にいれておくとよいです。


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 ◆2 必要条件・十分条件

必要条件・十分条件は、「必要」「十分」という言葉が使われていながら、
この日本語からは内容を類推しにくいと感じる人が多いようです。

まずは十分条件の定義をしっかりと覚えるのが得策です。

★「pならばqである」が真ならば「pはqの十分条件」である

そして、「pならばqである」の部分を逆にすると、必要条件になります。

★「qならばpである」が真ならば「pはqの必要条件」である

前半の『「qならばpである」が真ならば』の部分のpとqが入れ替わって、
『「pはqの必要条件」』の部分が、十分条件が必要条件に変わっています。

つまり、「そのままの命題が真ならば十分条件。逆の命題が真ならば必要条件」

というイメージで考えればOKです。

また、両方とも真ならば、必要十分条件となります。


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 ◆3 「または」と「かつ」が入れ替わる

では、今回のセンター試験の問題を検討してみましょう。

まず最初は、命題「r→(pまたはq)」の対偶を尋ねる設問です。

今◆1で確認したように、「対偶は逆かつ裏」ですね。

まず、逆は入れ替えただけなので、「(pまたはq)→r」となります。
              _  _   _
そして、裏は否定なので、「r→(pまたはq)」・・・でなく、
_  _  _
「r→(pかつq)」となります。

なお、裏になると「または」と「かつ」は相互に入れ替わることに
注意してください。
  _  _  _
「対偶は逆かつ裏」なので、命題「r→(pまたはq)」の対偶は、「(pかつq)→r」
で、[ク]に当てはまるのは{1}となります。


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 ◆4 時には華麗にスルー

次は、命題「(pまたはq)→r」に対する反例となっている三角形を選ぶ問題です。
いきなりグンと難易度が上がったように見えるかも知れません。

これに混乱して時間を食ってしまいそうなら、これ以上は無理と判断して、
華麗にスルーするのも一策です。

仮にここをスルーしても、失う得点は多くても10点です。
この問題に必要以上に時間をかけて、あとの問題が解けなくなった場合の失点は
それ以上になるかも知れません。

センター試験のように、時間に対して問題数が多い試験の場合は、悩んでいると
あっという間に時間がなくなってしまいます。
ある程度の時点で見切りをつけるのも時には必要です。

ただ、実は見た目ほど難しくない場合もあるので、まずはしっかり条件を把握して
少し考える余裕が欲しいですね!


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 ◆5 p,q,rを再確認して

◆4で「スルーもあり」と言ったばかりですが、実はコレはよく考えれば誰でも
できる(はずの)問題です。

条件を再確認です。p,q,rは、

 p:三つの内角が全て異なる
 q:直角三角形でない
 r:45°の内角は一つもない

なので、(pまたはq)は(「三つの内角が全て異なる」または「直角三角形でない」)
を意味します。
rはそのまま「45°の内角は一つもない」です。

ということで、「(pまたはq)→r」は、

(「三つの内角が全て異なる」または「直角三角形でない」)
→「45°の内角は一つもない」

となります。
ここまでは、単純にp,q,rの条件を並べただけです。


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 ◆6 反例は成り立たない例

今◆5で、「(pまたはq)→r」は、

(「三つの内角が全て異なる」または「直角三角形でない」)
→「45°の内角は一つもない」

であることがわかりました。
つまり、「三つの内角が全て異なる」または「直角三角形でない」ならば、
「45°の内角は一つもない」ことを意味しています。

これの反例は、これが成り立たない例なので、これの否定に相当する三角形を
見つければよいことになります。

つまり、

「三つの内角が全て異なるか直角三角形ではないのに、45°の内角がある三角形」

を選べばOK!

{0}~{4}の中で、その条件を満たすのは、

内角が30°,45°,105°の三角形
頂角が45°の二等辺三角形

ですね!よって、[ケ]と[コ]は、{1}と{4}となります。


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 ◆7 そのままなら十分、逆なら必要

そして最後は、「rは(pまたはq)であるための何条件か」を聞いています。

◆2の繰り返しになりますが、pがqの何条件か判断するときは、

「p→qが真」ならば、「pはqの十分条件である」
「q→pが真」ならば、「pはqの必要条件である」

と考えればOKでしたね。

「そのままの命題が真ならば十分、逆が真ならば必要」と考えるとわかりやすい
はずです。


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 ◆8 まずはr→pを考える

この問題の場合は、pがrで、qが(pまたはr)に相当します。

もう一度条件を確認し、整理してみましょう。

rは「45°の内角は一つもない」で、
(pまたはq)は(「三つの内角が全て異なる」または「直角三角形でない」)です。

「または」というのは、少なくとも片方が合えばOKなので、
「三つの内角が全て異なる」と「直角三角形でない」の少なくとも片方が真ならば、
r→(pまたはq)は真となります。

45°の内角が一つもなくても、三つの内角が全て異なるとは限りません。
たとえば、正三角形は45°の内角はないが、三つの内角は全て同じ大きさです。

これで、(pまたはq)のpを含む部分には反例が存在することがわかりました。
「または」は、少なくとも片方を満たしていればよいので、残りのqについても
同様に判断し、qだけの部分にも反例があれば命題が偽、qだけの部分に反例が
なければ命題が真となります。


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 ◆9 そしてr→qを考える

「三つの内角が全て異なる」という条件を含まず「直角三角形でない」という
条件を含むのが「qだけの部分」です。

言い換えれば、「等しい内角があり直角三角形でない」ですね。

もし、45°の角があり等しい内角があるならば、必ず直角三角形になって
しまいます。逆に言えば、45°の角がなければ、等しい内角があっても
直角三角形にはなりません。

rは「45°の内角は一つもない」なので、rを満たすならば、qは必ず
成り立つことになります。

よって、r→qは真である。といえるのです。


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 ◆10 逆も同様に

そして、(pまたはq)→rについて考えてみましょう!

「三つの内角が全て異なる」→「45°の角は一つもない」の時点で反例が
存在するので、すぐに偽となることがわかります。

まとめると、r→(pまたはq)は真で、(pまたはq)→rは偽でした。

つまり、そのままが真で、逆が偽なので、

[サ]は{2}十分条件であるが必要条件でない。

が正解となります。


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今回取り上げた問題の解説は以上です。理解できましたか?
できた人もできなかった人も、ここでいったん、解説の目次に戻って、解答に
至るためにはどんなことを考えて、何を利用すれば良いのか見直してください。
各小見出しが手がかりとなって、進むべき道がよりはっきり見えるはずです。
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■ 今回の公式・定理など

命題「pならばqである」があるとき、

★ 逆・・・「ならば」の前後を入れ替えたもの。qならばpである
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★ 裏・・・もとの命題の補集合(あてはまらないもの)。pならばqである
            _   _
★ 対偶・・・逆かつ裏。qならばpである
★ 反例・・・成り立たない場合の例
★ 「p→qが真」ならば、「pはqの十分条件である」
★ 「q→pが真」ならば、「pはqの必要条件である」

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■ 解答一覧

[ク]=1,[ケ]=1,[コ]=4,[サ]=2 (ただし、[ケ],[コ]は順不同)

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■ 編集後記

ということで、2013年数学1A第1問[2]でした。

今回の問題は、第1問[2]としては、検討するべき事柄の分量が多めでした。
うまく整理して考える余裕がない場合は、パスした方がよいかも知れません。
センター試験では特に、時間のメリハリをつけて、解ける問題を確実に正解する
のが大切です。時間配分も考えながら、普段からがんばってくださいね!

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