2013年大学入試センター試験数学2B第1問[2] 指数・対数

この記事では、2013年大学入試センター試験数学2B第1問[2]を解説します。

なお、後日この記事は修正を予定しています。








★「青本」2019年数学★「赤本」2019年数学


■ 問題

第1問

[2] 連立方程式

  {x+y+z=3
(*) {2^x+2^y+2^z=35/2
  {1/2^x+1/2^y+1/2^z=49/16

を満たす実数x,y,zを求めよう。ただし、x≦y≦zとする。

 X=2^x,Y=2^y,Z=2^zとおくと、x≦y≦zによりX≦Y≦Zである。
(*)から、X,Y,Zの関係式

  {XYZ=[ソ]
  {X+Y+Z=35/2
  {XY+YZ+ZX=[タチ]/[ツ]

が得られる。

 この関係式を利用すると、tの3次式(t-X)(t-Y)(t-Z)は

(t-X)(t-Y)(t-Z)=t^3-(X+Y+Z)t^2
                    +(XY+YZ+ZX)t-XYZ
=t^3-(35/2)t^2+([タチ]/[ツ])t-[ソ]
=(t-1/2)(t-[テ])(t-[トナ])

となる。したがって、X≦Y≦Zにより

  X=1/2,Y=[テ],Z=[トナ]

となり、x=log[ニ]X,y=log[ニ]Y,z=log[ニ]Zから

  x=[ヌネ],y=[ノ],z=[ハ]

であることがわかる。


※分数は(分子)/(分母)、xの2乗はx^2、底がa真数がbの対数はlog[a]b、
マーク部分の□は[ ]で表記しています。

まずは自力で解けるところまで解いてみてください。自分なりの考えを持ちながら
解説を読むと、考え方をスムーズに習得でき、短期間でも大幅に実力アップ!


■ おすすめ問題集

2017年の大学入試センター試験数学1A2Bを詳細に解説しました。今回の問題にも活用できる項目があります。





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■ 解説目次

 ◆1 指数と対数は表裏一体
 ◆2 対数の計算法則
 ◆3 設定の通りに置き換えてみる
 ◆4 指数の等式は対数に変換
 ◆5 分母が異なるので通分
 ◆6 3次式の因数分解は因数定理
 ◆7 定数部分に注目して
 ◆8 対数の等式は指数に変換

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■ 解説


 ◆1 指数と対数は表裏一体

2013年第1問[2]は、指数・対数に関する問題でした。
今回の問題に入る前に、まずは対数の基本について確認しておきましょう!
「そんなの知ってるよ!」という人は、◆1,2は飛ばしてもらってもOKです。

対数は「aをcにするには何乗すればいいか」を表していて、指数とは次のような
関係があります。

★ a^b=cならばlog[a]c=b

aを底、cを真数、bを指数(または対数の値)と呼びます。

「aをb乗したらcになる」ならば「aをcにするならb乗する」と言っても
変わらないですね。指数と対数はこのような言い換えの関係になっていると
言えます。

2^3=8を対数で表せば、log[2]8=3というわけです。

これを少し応用すると、次のようなことも言えます。

★ log[a]a=1       ←aをaにするには1乗
★ log[a]1=0       ←aを1にするには0乗


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 ◆2 対数の計算法則

今回の問題では使わないものもありますが、対数の計算方法も確認して
おきましょう!

★ log[a]b^c=c・log[a]b

「真数の指数は対数の係数」です。

★ log[a]b+log[a]c=log[a]bc

「対数の足し算は真数のかけ算」です。

★ log[a]b-log[a]c=log[a]b/c

「対数の引き算は真数の割り算」です。

★ log[a]b=log[c]b/log[c]a

いわゆる「底の変換公式」で、「分子が真数、分母が底」と考えます。

もし、これら計算法則で怪しいものがあったら、教科書などで基本問題を
しっかり練習することをオススメします!

また、指数と対数は相互に変換しながら計算することも多いですよ!


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 ◆3 設定の通りに置き換えてみる

では、今回の問題の設定を確認しましょう!

まずx,y,zに関しての連立方程式があります。

  {x+y+z=3
(*) {2^x+2^y+2^z=35/2
  {1/2^x+1/2^y+1/2^z=49/16

このようになっています。
そして、「X=2^x,Y=2^y,Z=2^zとおく」そうです。
このようにおくと、この連立方程式を別の形に書き換えることができます。
一つ一つ確認してみましょう。

まず、一番わかりやすいのが、真ん中の2^x+2^y+2^z=35/2ですね。
X=2^x,Y=2^y,Z=2^zなので、これらを置き換えると、

X+Y+Z=35/2

となります。


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 ◆4 指数の等式は対数に変換

次に1個目の式について考えてみましょう。

x+y+z=3を変形して、XYZの形にすることを目指します。

それには、「xをXに置き換える」「xを消去する」などの方向性で考えて
みましょう。

すると・・・「xとXの関係式を作り、xについて解けばよい」と気づくはず、
気づいて欲しい、気づいたらいいな~

X=2^xなので、これをxについて解くことを考えます。
それには、対数の定義に従って書き直せばOKですね!
つまり、log[2]X=xと書き直すことができます。

同様に、log[2]Y=y,log[2]Z=zなので、

x+y+z=log[2]X+log[2]Y+log[2]Z
     =log[2](XYZ)     ←対数の和は真数の積

さらに、x+y+z=3なので、

log[2](XYZ)=3
log[2](XYZ)=log[2]8
真数同士を比較して、XYZ=8

よって、[ソ]=8


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 ◆5 分母が異なるので通分

次は、1/2^x+1/2^y+1/2^z=49/16をXY+YZ+ZXの形に
することを考えます。

これは分母がそのままX,Y,Zに置き換えられるので、

1/X+1/Y+1/Z=49/16

となります。
これを変形したら、目指す形になりそうですね。
分母が異なる分数なので、まずは通分してみましょう!

YZ/XYZ+ZX/XYZ+XY/XYZ=49/16  ↓両辺にXYZ
            YZ+ZX+XY=(49/16)XYZ

ここで、先ほど求めたようにXYZ=8なので、

YZ+ZX+XY=(49/16)×8
XY+YZ+ZX=49/2

よって、[タチ]=49,[ツ]=2


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 ◆6 3次式の因数分解は因数定理

次は「tの3次式(t-X)(t-Y)(t-Z)」について考えます。

問題文にあるように、これを展開すると、

(t-X)(t-Y)(t-Z)=t^3-(X+Y+Z)t^2
                    +(XY+YZ+ZX)t-XYZ

となるので、◆3~◆5の値を代入すると、

=t^3-(35/2)t^2+(49/2)t-8

これを因数分解すると、解答の形式になりそうですね!

t=1のときこの式の値が0になるので、因数定理により、t-1で割り切れる
ことがわかります。

ちなみに、因数定理は、★「xの整式にaを代入して式の値が0になるならば、
その整式はx-aを因数にもつ」という定理です。
3次式以上の高次式を因数分解するときに使うことがあります。


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 ◆7 定数部分に注目して

ならば、実際に割ってみよう!と考えるのが普通ですし、基本的にはそうした
方が良いのですが、この問題の場合は、実は割らなくても解答が出てしまいます。

もともと(t-1/2)を因数にもつことはわかっていて、今(t-1)も因数に
もつことがわかりました。さらに、3次式なので、因数は3つです。

そして、t^3-(35/2)t^2+(49/2)t-8の定数項は-8です。

ということは・・・(-1/2)×(-1)×(何か)=-8ですね!?

特に定理とかいうほどのことではありませんが、展開した式の定数部分は、
因数の定数部分の積になります。

こんなことを考えると、面倒な割り算をしなくても、(何か)=-16と求める
ことができます。

よって、[トナ]=16


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 ◆8 対数の等式は指数に変換

t^3-(35/2)t^2+(49/2)t-8因数分解すると、
(t-1/2)(t-1)(t-16)となることがわかりました。

(t-X)(t-Y)(t-Z)を計算すると、(t-1/2)(t-1)(t-16)と
なったので、1/2,1,16がX,Y,Zです。

X≦Y≦Zなので、X=1/2,Y=1,Z=16となります。

これらのX,Y,Zは最初の設定にあったように、X=2^x,Y=2^y,Z=2^z
なので、x=log[2]X,y=log[2]Y,z=log[2]Zです。

まずはx=log[2]Xを解いてみましょう。

X=1/2なので、x=log[2](1/2)です。
これは、2^x=1/2と書き換えられるので、x=-1となります。

同様に計算すると、y=0,z=4ですね!

よって、[ヌネ]=-1,[ノ]=0,[ハ]=4


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今回取り上げた問題の解説は以上です。理解できましたか?
できた人もできなかった人も、ここでいったん、解説の目次に戻って、解答に
至るためにはどんなことを考えて、何を利用すれば良いのか見直してください。
各小見出しが手がかりとなって、進むべき道がよりはっきり見えるはずです。
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■ 今回の公式・定理など

★ 指数と対数の関係a^b=cならばlog[a]c=b
★ log[a]1=0
★ x^(-1)=1/x
★ 対数の足し算は真数のかけ算log[a]b+log[a]c=log[a]bc
★ xの整式にaを代入して式の値が0になれば、その整式はx-aを因数にもつ

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■ 解答一覧

[ソ]=8,[タチ]=49,[ツ]=2,[テ]=1,[トナ]=16,[ニ]=2,
[ヌネ]=-1,[ノ]=0,[ハ]=4

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■ 編集後記

ということで、数学2B2013年第1問[2]でした。

[1]に引き続き、[2]も比較的簡単だったと思います。
三元連立方程式なので、ちょっと見慣れないと感じた人も多いかも知れませんが、
問題の難易度としては、それほど高くありませんよ!


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