2014年大学入試センター試験数学1A第3問 三角比

この記事では、2014年大学入試センター試験数学1A第3問を解説します。

なお、後日この記事は修正を予定しています。







★「青本」2019年数学★「赤本」2019年数学


■ 問題

第3問

 △ABCは、AB=4,BC=2,cos∠ABC=1/4を満たすとする。
このとき

  CA=[ア],cos∠BAC=[イ]/[ウ],sin∠BAC=√[エオ]/[カ]

であり、△ABCの外接円Oの半径は[キ]√[クケ]/[コサ]である。∠ABCの
二等分線と∠BACの二等分線の交点をD、直線BDと辺ACの交点をE、
直線BDと円Oとの交点でBと異なる交点をFとする。

(1) このとき

AE=[シ]/[ス],BE=[セ]√[ソタ]/[チ],BD=[ツ]√[テト]/[ナ]

となる。

(2) △EBCの面積は△EAFの面積の[ニ]/[ヌ]倍である。

(3) 角度に注目すると、線分FA,FC,FDの関係で正しいのは[ネ]である
ことが分かる。
 [ネ]に当てはまるものを、次の{0}~{5}のうちから一つ選べ。

{0} FA<FC=FD  {1} FA=FC<FD
{2} FC<FA=FD  {3} FD<FC<FA
{4} FA=FC=FD  {5} FD<FC=FA


※分数は(分子)/(分母)、xの2乗はx^2、マル1は{1}、
マーク部分の□は[ ]で表記しています。


■ おすすめ問題集

2017年の大学入試センター試験数学1A2Bを詳細に解説しました。今回の問題にも活用できる項目があります。



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■ 解説

 ◆1 三角比はx,y,rで理解しよう!
 ◆2 相互関係、正弦・余弦定理
 ◆3 2辺とはさむ角なら余弦定理
 ◆4 余弦定理の左辺には角の対辺
 ◆5 サイン←→コサインは相互関係
 ◆6 外接円なら正弦定理
 ◆7 新しい設定は確実に図に表そう
 ◆8 二等分線で対辺の比がわかる
 ◆9 BEを含む三角形を探して
 ◆10 また二等分線の性質が使える!
 ◆11 相似比の2乗が面積比
 ◆12 等しい角を地道に示そう!

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 ◆1 三角比はx,y,rで理解しよう!

三角比は、数2の三角関数はもちろん、ベクトルや物理にも応用されます。
2次関数とともに、高校数学の最重要分野の一つです。
まずは、三角比の基本をおさらいしておきましょう!

単位円の半径をr,円周上の点を(x,y)とすると、三角比の値は

★ sinθ=y/r(斜め分の縦)
★ cosθ=x/r(斜め分の横)
★ tanθ=y/x(横分の縦)

このように表されます。
円周上の点からx軸に垂線を引くと、円の半径を斜辺とする直角三角形が
できます。すると、x座標がそのまま横、y座標がそのまま縦になる。という
イメージです。

直角三角形で、s,c,tの文字の形を利用して覚える人も多いと思いますが、
x,y,rで理解しておいた方が応用が利きます。
この覚え方がオススメですよ!


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 ◆2 相互関係、正弦・余弦定理

三角比の問題では、相互関係も重要です。

★ (sinθ)^2+(cosθ)^2=1 (斜辺が1の直角三角形の三平方の定理)
★ tanθ=sinθ/cosθ (タンジェントの定義より)

これらは理屈はおいといて、覚えてしまった方が良いと思います。
そのくらいよく使われます。

また、正弦定理・余弦定理も必ずと言って良いほど使われます。

★ 正弦定理a/sinA=b/sinB=c/sinC=2R
★ 余弦定理a^2=b^2+c^2-2bc・cosA

角とその対辺または外接円の半径がわかるときは、主に正弦定理を使い、
2辺と1角または3辺がわかるときは、主に余弦定理を使う。
と理解しておくとよいです。


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 ◆3 2辺とはさむ角なら余弦定理

お待たせしました。では、今回の問題に入ります。

「△ABCは、AB=4,BC=2,cos∠ABC=1/4を満たす」と
あります。

三角比の問題は、図を描きながら取り組むようにしてください。
ここを読む前に問題を解いてもらったと思いますが、そのときに図を描いて
いなかった人がいましたら、今ここで図を描くようにしてください。

AB=4,BC=2なので、ABはBCの2倍の長さです。
cos∠ABC=1/4なので、∠ABCは90°よりは小さいけど、
60°よりは大きい角度であることもわかります。
なるべくそれらしく三角形を描いてください。

描けたら、まずは最初の設問を確認してみます。
CAの長さを聞いていますね。

△ABCは、2辺とそのはさむ角が分かっているので、余弦定理が使える最も
基本的なパターンです。やってみましょう!

CA^2=AB^2+BC^2-2AB・BC・cos∠ABC
   =4^2+2^2-2×4×2×1/4
   =16+4-4
   =16
∴CA=4

よって、[ア]=4


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 ◆4 余弦定理の左辺には角の対辺

そして、cos∠BACとsin∠BACを聞いています。

△ABCは、すでに3辺と1角がわかっているので、いろいろな方法で求める
ことができます。
ここでは、一番標準的と思われる、余弦定理を使って求めてみましょう。

cos∠BACを求めるので、その対辺BCが左辺に来ます。

      BC^2=AB^2+CA^2-2AB・BC・cos∠BAC
       2^2=4^2+4^2-2×4×4cos∠BAC
        4=16+16-32cos∠BAC
      -28=-32cos∠BAC     ←定数を移項した
32cos∠BAC=28
  cos∠BAC=28/32
  cos∠BAC=7/8

よって、[イ]=7,[ウ]=8


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 ◆5 サイン←→コサインは相互関係

コサインが出れば、サインも出ちゃいます。
どうすればいいでしょうか?

★ (sinθ)^2+(cosθ)^2=1

を使えばいいですね!

(sin∠BAC)^2+(cos∠BAC)^2=1
    (sin∠BAC)^2+(7/8)^2=1
     (sin∠BAC)^2+49/64=1
          (sin∠BAC)^2=1-49/64  ←移項した
          (sin∠BAC)^2=15/64
            sin∠BAC=±√15/8  ←両辺の平方根

0°から180°の範囲ではサインの値はプラスなので、

sin∠BAC=√15/8

よって、[エオ]=15,[カ]=8


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 ◆6 外接円なら正弦定理

そして、次は△ABCの外接円Oの半径を聞いています。

外接円の半径といえば、正弦定理ですね!

角と対辺がわかっていれば、3組のうちどれでも良いのですが、たった今◆5で
sin∠BACを求めたので、これを使ってみましょう!

BC/sin∠BAC=2R
  2/(√15/8)=2R
    16/√15=2R      ←左辺の分子と分母に8を掛けた
     8/√15=R       ←両辺を2で割った
         R=8/√15   ←両辺を入れ替えた
          =8√15/15 ←有理化をした

よって、[キ]=8,[クケ]=15,[コサ]=15

ここまでは、ほぼ公式に代入するだけでしたね。数学が苦手な人でも、まずは
ここまでできるようにしましょう!


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 ◆7 新しい設定は確実に図に表そう

(1)の前に、いくつか新しい設定があります。

図を描きながら、設定を確認していきましょう!

「∠ABCの二等分線と∠BACの二等分線の交点をD」とあります。
その通りに、∠ABCの二等分線と、∠BACの二等分線を引き、その交点に
Dと書き入れます。

次に「直線BDと辺ACの交点をE」とあります。
今書いた直線BDつまり∠BACの二等分線と、辺ACとの交点がEです。

さらに、「直線BDと円Oとの交点でBと異なる交点をFとする」とあります。
つまり、BDをそのまま伸ばすと円と交わるので、その点をFとします。

しっかり図を描かないと、この先、常人にはキビシイと思います。
・・・と読者の皆さんに言うばかりではなんなので、自分でも描いてみました。

http://www.a-ema.com/img/center2014math3.png

だいたいこんな形です。
これで、3辺の長さ、外接円の半径、角(の三角比の値)がわかっています。


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 ◆8 二等分線で対辺の比がわかる

このときのAE,BE,BDの長さを求めていきます。
大抵は順番通りにやった方が求めやすいはずです。
ということで、まずはAEについて考えてみましょう!

Eは∠ABCの二等分線が、ACと交わった点です。
ということは、二等分線に関する性質が何か使えるかも知れません。

どんなのがあったかな・・・と考えていくと、二等分線と対辺に関する性質が
ありましたよね?

「三角形の角の二等分線は、他の2辺と同じ比に対辺を内分する」

というやつです。これを適用すると、

∠ABCの対辺はACなので、BEは、ACをAB:BCの比に内分する。

ことがわかります。

AB:BC=4:2=2:1なので、AE:EC=2:1です。

AC=4より、AE=4×2/3=8/3となります。

よって、[シ]=8,[ス]=3


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 ◆9 BEを含む三角形を探して

AEがわかるとBEも求められます。
まずは、BEを含む三角形を探します。すると、△ABEが見つかりますね。

△ABEに注目すると、AB=4,AE=8/3,cos∠BAC=7/8が
わかっていて、これは2辺とそのはさむ角なので、余弦定理が使えそうです。

BE^2=AB^2+AE^2-2AB・AE・cos∠BAC
   =4^2+(8/3)^2-2×4×(8/3)×(7/8)
   =16+64/9-56/3
   =(144+64-168)/9    ←通分した
   =40/9
∴BE=√(40/9)           ←両辺の平方根
   =2√10/3

よって、[セ]=2,[ソタ]=10,[チ]=3


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 ◆10 また二等分線の性質が使える!

BEがわかると、◆8と同じ方法でBDもわかります。
直線ADは∠BACの二等分線でしたね。

BD:DE=AB:AE
     =4:8/3
     =12:8
     =3:2

よって、点DはBEを3:2に分けることがわかりました。
ということは、BDはBEの3/5です。

BD=(3/5)BE
  =(3/5)×(2√10/3)
  =2√10/5

よって、[ツ]=2,[テト]=10,[ナ]=5


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 ◆11 相似比の2乗が面積比

(2)では、2つの三角形の面積を比べます。
△EBCと△EAFです。

面積を比べたいなら、面積を出せばいい・・・のは間違いありませんが、
この場合は、もっともっと簡単に面積比を求めることができます。

△EBCと△EAFを見比べていたら、何か気づいた人も多いと思います。

・・・これらの三角形は、相似ですね!

円周角の定理より、2組の角がそれぞれ等しいので、これらの三角形は相似で
あることは、簡単に証明できます。

高校入試でもやったように、相似ならば、面積は相似比の2乗です。

例えば、BEとAEが対応する辺です。これは2√10/3:8/3なので、
これを2乗して、解答の形式に合わせて答えます。

(2√10/3)^2:(8/3)^2=40/9:64/9
              =40:64
              =5:8

△EBC>△EAFなので、8/5倍ですね。

よって、[ニ]=8,[ヌ]=5


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 ◆12 等しい角を地道に示そう!

いよいよ最後の設問です。

「角度に注目すると、線分FA,FC,FDの関係で正しいのは」とあります。

つまり、角度と長さの関係を考えると、それぞれの長さ自体を求めなくても、
大小関係はわかる。ということです。

まず、FAとFCがわかりやすいと思います。
弧FAと弧FCに注目すると、これらの円周角は、∠ABFと∠CBFです。
これらの角は、∠ABCを二等分した角なので、等しいですね。
ということは、弧FA=弧FCであり、FA=FCです。

ここまででいろいろな角が等しいことがわかりました。
このあとは、試行錯誤しながら、分かることを書いていったら、そのうち解答に
たどり着く。というタイプのものです。考え方は他にもありますが、一例として
図を参照しながら読んでみてください。

今考えたように、∠ABCを二等分したので、∠ABF=∠CBFです。
円周角の定理より、∠CBF=∠CAFです。
ということは、∠ABF=∠CBF=∠CAFです。

また、ADは∠BACの二等分線なので、∠BAD=∠CADです。

∠DAF=∠CAF+∠CADと表すことができます。

△ABDに注目すると、∠ADFは、∠BDAの外角なので、

∠ADF=∠ABF+∠BADとなります。

∠CAF+∠CAD=∠ABF+∠BADなので、∠DAF=∠ADFである
こともわかります。

ということは、△ADFはFA=FDの二等辺三角形ですね。
FA=FCはわかっているので、FA=FC=FDとなるわけです。

よって、[ネ]={4}


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今回取り上げた問題の解説は以上です。理解できましたか?
できた人もできなかった人も、ここでいったん、解説の目次に戻って、解答に
至るためにはどんなことを考えて、何を利用すれば良いのか見直してください。
各小見出しが手がかりとなって、進むべき道がよりはっきり見えるはずです。
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■ 今回の公式・定理など

★ sinθ=y/r(斜め分の縦)
★ cosθ=x/r(斜め分の横)
★ tanθ=y/x(横分の縦)
★ (sinθ)^2+(cosθ)^2=1 (斜辺が1の直角三角形の三平方の定理)
★ tanθ=sinθ/cosθ (タンジェントの定義より)
★ 正弦定理a/sinA=b/sinB=c/sinC=2R
★ 余弦定理a^2=b^2+c^2-2bc・cosA
★ 三角形の角の二等分線は、他の2辺と同じ比に対辺を内分する
★ 円周角の定理「同じ大きさの弧に対する円周角は等しい」
★ 相似条件「2組の角がそれぞれ等しい」
★ 面積比=相似比の2乗
★ 三角形の外角は残り2角の和に等しい

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■ 解答一覧

[ア]=4,[イ]=7,[ウ]=8,[エオ]=15,[カ]=8,[キ]=8,
[クケ]=15,[コサ]=15,[シ]=8,[ス]=3,[セ]=2,[ソタ]=10,
[チ]=3,[ツ]=2,[テト]=10,[ナ]=5,[ニ]=5,[ヌ]=8,[ネ]=4

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■ 編集後記

ということで、2014年数学1A第3問でした。

最後のFA,FC,FDの関係だけ難しかった(時間がかかる)と思います。
このような問題は、実際のセンター試験のときは残り時間との相談で、他に
解けそうな問題があったら、いったん他の問題に移った方がよいかも知れません。
自分なりに「どこまで粘るか」の基準を作っておくと良いですよ!


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