2014年大学入試センター試験数学2B第4問 ベクトル

この記事では、2014年大学入試センター試験数学2B第4問を解説します。

なお、後日この記事は修正を予定しています。







★「青本」2019年数学★「赤本」2019年数学


■ 問題

第4問

 座標空間において、立方体OABC-DEFGの頂点を

  O(0,0,0),A(3,0,0),B(3,3,0),C(0,3,0),
  D(0,0,3),E(3,0,3),F(3,3,3),G(0,3,3)

とし、ODを2:1に内分する点をK,OAを1:2に内分する点をLとする。
BF上の点M,FG上の点NおよびK,Lの4点は同一平面上にあり、
四角形KLMNは平行四辺形であるとする。

(1) 四角形KLMNの面積を求めよう。ベクトル→LKを成分で表すと

  →LK=([アイ],[ウ],[エ])

となり、四角形KLMNが平行四辺形であることにより、→LK=[オ]である。
[オ]に当てはまるものを、次の{0}~{3}のうちから一つ選べ。

{0} →ML  {1} →LM  {2} →NM  {3} →MN

 ここで、M(3,3,s),N(t,3,3)と表すと、→LK=[オ]であるので、
s=[カ],t=[キ]となり、NはFGを1:[ク]に内分することがわかる。
 また、→LKと→LMについて

  →LK・→LM=[ケ],|→LK|=√[コ],|→LM|=√[サシ]

となるので、四角形KLMNの面積は√[スセ]である。

(2) 四角形KLMNを含む平面をαとし、点Oを通り平面αと垂直に交わる直線を
l,αとlの交点をpとする。|→OP|と三角錐OLMNの体積を求めよう。

 P(p,q,r)とおくと、→OPは→LKおよび→LMと垂直であるから、
→OP・→LK=→OP・→LM=[ソ]となるので、p=[タ]r,
q=([チツ]/[テ])rであることがわかる。→OPと→PLが垂直であることに
より、r=[ト]/[ナニ]となり、|→OP|を求めると

  |→OP|=[ヌ]√[ネノ]/[ハヒ]

である。|→OP|は三角形LMNを底面とする三角錐OLMNの高さであるから、
三角錐OLMNの体積は[フ]である。


※分数は(分子)/(分母)、xの2乗はx^2、ベクトルaは→a、
マル1は{1}、マーク部分の□は[ ]で表記しています。


■ おすすめ問題集

2017年の大学入試センター試験数学1A2Bを詳細に解説しました。今回の問題にも活用できる項目があります。



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■ 解説

 ◆1 ベクトルの成分と大きさ
 ◆2 ベクトルの足し算とかけ算
 ◆3 まずは条件をしっかり確認
 ◆4 平行四辺形なら対辺が等しく平行
 ◆5 座標がわかればベクトルその他もわかる
 ◆6 垂直ならば内積はゼロ
 ◆7 内積を利用して方程式を作る
 ◆8 やはり垂直なら内積がゼロ
 ◆9 やはり絶対値は対角線
 ◆10 三角錐の体積=(1/3)×底面積×高さ

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■ 解説


 ◆1 ベクトルの成分と大きさ

2014年も、数学2B第4問は、ベクトルについての問題でした。
まずは、ベクトルに関する基本的な用語と公式について確認しておきましょう!
「そんなの知ってるよ!」という人は、ここは飛ばしてもらってもOKです。

ベクトルは大きさと向きの両方の情報を持った数量です。      →
2点A,Bがあるとき、AからBへ進むことをベクトルABといい、ABと
表します。(ここでは以後ベクトルABは「→AB」で表すとする)
→ABは、Bの座標-Aの座標で求めることができます。

|→AB|は、ベクトルABの絶対値で、→ABの長さ(大きさ)を表します。

ベクトルは座標と同じような表現方法で、始点から終点までどのように動くかを
表すことができます。

例えば、AからBに行くには、右に1,上に2進むとすると、→AB=(1,2)
と書くことができます。

そして、|→AB|は、三平方の定理で求めることができます。この例の場合は、
|→AB|=√(1^2+2^2)=√5ですね。


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 ◆2 ベクトルの足し算とかけ算

続いて、成分で表されたベクトルの計算について、簡単に説明しておきます。

→a=(x1,y1),→b=(x2,y2)とすると、

★ →a+→b=(x1+x2,y1+y2)
★ →a・→b=x1・x2+y1・y2=|→a||→b|cosθ

などとなります。

つまり、足し算は、成分のx同士y同士をそれぞれ足す。
かけ算はx同士y同士をそれぞれ掛けてから足す。

と考えておけば大丈夫です。

ちなみに、→a・→bは、「ベクトルaとベクトルbの内積」と呼びます。
cosθのθは、2つのベクトルのなす角、つまり、2つのベクトルの始点を
合わせたときに、その間にできる角を表します。

内積は、cosθを使って表すことができ、cos90°=0なので、
ベクトルが垂直のときは、内積の値は必ず0になります。

ここでは、まず平面で例を示しましたが、今回の問題のように、空間でも基本的
には同じことができます。


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 ◆3 まずは条件をしっかり確認

では、この辺で今回の問題に戻りましょう!
今回は空間のベクトルを取り扱います。

空間というと、「難しい」というイメージが先行してしまう人が多いですが、
実は、大学入試の問題としては、空間の方が簡単な場合があります。
空間の方が、基本的な構造が複雑なので、その分与えられる図形や数字が簡単に
なることがあるからです。
まぁとにかく、「空間だからといって難しいとは限らない」と考えて、
落ち着いて条件を確認すると良いですよ!

さて、「座標空間において、立方体OABC-DEFGの頂点を」とあり、
8点の座標が示されています。これらの座標から、「1辺が3の立方体なんだな」
と読み取っておいてください。

空間なので、ちょっと描きづらいですが、できればしっかり図示した方が
よいです。

図を描いてみると、下側の正方形は、原点から左回りにO→A→B→Cで、
上側の正方形は、原点の真上がDで、同じく左回りにD→E→F→G
であることがわかります。

さらに「ODを2:1に内分する点をK,OAを1:2に内分する点をL」
とあります。
つまり、これらはKはz軸上で(0,0,2)、Lはx軸上で(1,0,0)です。

ということは、→LK=(0,0,2)-(1,0,0)=(-1,0,2)となり
ます。

よって、[アイ]=-1,[ウ]=0,[エ]=2


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 ◆4 平行四辺形なら対辺が等しく平行

そして「BF上の点M,FG上の点NおよびK,Lの4点は同一平面上にあり、
四角形KLMNは平行四辺形である」とあります。

まずはこの通りにM,Nをとり、四角形KLMNを描いてみましょう!

KLMNは平行四辺形というところがポイントです。
平行四辺形なので、対辺が等しく、平行ですね。
ということは、線分KLと線分NMは傾きも長さも同じです。

つまり、→LK=→MNですね。

よって、[オ]={3}

→LKと→MNが等しいならば、x,y,zの変化の仕方が同じなので、
M(3,3,1),N(2,3,3)であることがわかります。
さらに、F(3,3,3),G(0,3,3)なので、NはFGを2:1に内分する
ということができます。

よって、[カ]=1,[キ]=2,[ク]=2


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 ◆5 座標がわかればベクトルその他もわかる

K,L,M,Nの座標も全てわかったので、他にもいろいろなことがわかります。

→LM=(3,3,1)-(1,0,0)=(2,3,1)

→LKと→LMの両方がわかったので、内積も求められます。

→LK・→LM=(-1)×2+0×3+2×1=-2+2=0

内積が0ということは、cosθ=0なので、→LKと→LMは垂直ですね!
つまり、四角形KLMNは長方形です。

空間のベクトルの絶対値は、直方体の対角線というイメージで、

|→LK|=√{(-1)^2+0^2+2^2}=√5
|→LM|=√(2^2+3^2+1^2)=√14

KLMNは長方形なので、面積はもちろん縦×横ですね!

√5×√14=√70

よって、[ケ]=0,[コ]=5,[サシ]=14,[スセ]=70

ここまでは、実はかなり簡単だったはずです。
ベクトルについてよく知らなくても、長方形であることはだいたい見当が
つきそうなので、面積まで出せてしまうかも知れませんね!


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 ◆6 垂直ならば内積はゼロ

(2)では、今まで考えてきた「四角形KLMNを含む平面をαとし」、この
「平面αと垂直に交わる直線をl」とし、その「交点をP(p,q,r)」と
しています。

この直線lは、ちょっと描きにくいので、とりあえず、点Pを図に示す程度に
しておいた方が逆に混乱しないかも知れません。

このような新たな条件が加わって、次に問われているのは→OP・→LMです。

→OPは平面αに垂直なので、その平面上のベクトルとは垂直です。
つまり、「→OPは→LKおよび→LMと垂直」ですね。
ということは、これらの内積はゼロになります。

今回の問題の中でもすでに出てきていますが、垂直ならば内積は0です。
★ →a・→b=x1・x2+y1・y2=|→a||→b|cosθ
だから、θ=90°のとき、cosθ=0だから、内積も0ですね。

よって、[タ]=0


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 ◆7 内積を利用して方程式を作る

→OPと→LKの成分はわかっているので、内積=0から方程式が作れそうです。

→OP=(p,q,r),→LK=(-1,0,2)なので、

→OP・→LK=-1p+0q+2r
       =-p+2r=0        ←内積が0
           -p=-2r      ←移項した
            p=2r

→OP・→LMも同様に、→LM=(2,3,1)なので、

→OP・→LM=2p+3q+r=0

これにp=2rを代入すると、

      2・2r+3q+r=0
          3q+5r=0
             3q=-5r
              q=(-5/3)r

よって、[タ]=2,[チツ]=-5,[テ]=3


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 ◆8 やはり垂直なら内積がゼロ

そして「→OPと→PLが垂直である」ので、やはり内積がゼロです。

→OP=(p,q,r)=(2r,(-5/3)r,r)
→PL=(1-p,-q,-r)=(-1-2r,(5/3)r,-r)

なので、これらを掛けたら0という方程式を作ります。

 2r(1-2r)+(-5/3)r・(5/3)r+r・(-r)
=2r-4r^2-(25/9)r^2-r^2=0     ←内積=0
 18r-36r^2-25r^2-9r^2=0     ←両辺に9を掛けた
          70r^2-18r=0     ←まとめて符号を変えた
           35r^2-9r=0     ←両辺を2で割った
           r(35r-9)=0     ←因数分解した
よって、r=0,9/35

r=0はPが原点と重なってしまい不適なので、r=9/35です。

よって、[ト]=9,[ナニ]=35


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 ◆9 やはり絶対値は対角線

r=9/35がわかったので、→OPがわかります。

→OP=(p,q,r)
   =(2r,(-5/3)r,r)
   =(18/35,-3/7,9/35)

空間のベクトルの絶対値は、直方体の対角線というイメージで、

|→OP|=√{(18/35)^2+(-3/7)^2+(9/35)^2}
    =√(324/1225+9/49+81/1225)
    =√{(324+225+81)/1225}
    =√(630/1225)
    =3√70/35

よって、[ヌ]=3,[ネノ]=70,[ハヒ]=35


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 ◆10 三角錐の体積=(1/3)×底面積×高さ

そして最後は、三角錐OLMNの体積を聞いています。

問題文に、この三角錐は底面をLMN,高さをOPとするように書いてあります。

LMNはKLMNの半分だし、|→OP|は今求めたので、確かにそう見れば、
必要な情報はすでに全てわかっていることになります。

「三角錐の体積=(1/3)×底面積×高さ」ですね。やってみましょう!

三角錐OLMN=(1/3)×(√70/2)×(3√70/35)
       =70/70
       =1

よって、[フ]=1

結構あっさり出てしまいましたね!
落ち着いてしっかりやれば、最後までできた人も多かったのではないでしょうか?
見た目に惑わされずに、しっかりやるのが大切だ。という良い例ですね!


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今回取り上げた問題の解説は以上です。理解できましたか?
できた人もできなかった人も、ここでいったん、解説の目次に戻って、解答に
至るためにはどんなことを考えて、何を利用すれば良いのか見直してください。
各小見出しが手がかりとなって、進むべき道がよりはっきり見えるはずです。
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■ 今回の公式・定理など

→a=(x1,y1),→b=(x2,y2)とすると、

★ |→a|=√(x1^2+y1^2)
★ →a+→b=(x1+x2,y1+y2)
★ →a・→b=x1・x2+y1・y2=|→a||→b|cosθ
★ cos90°=0より、→a・→b=0
★ 垂直ならば、内積が0
★ 平行四辺形は対辺が等しく平行
★ 三角錐の体積=(1/3)×底面積×高さ

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■ 解答一覧

[アイ]=-1,[ウ]=0,[エ]=2,[オ]=3,[カ]=1,[キ]=2,[ク]=2,
[ケ]=0,[コ]=5,[サシ]=14,[スセ]=70,[ソ]=0,[タ]=2,
[チツ]=-5,[テ]=3,[ト]=9,[ナニ]=35,[ヌ]=3,[ネノ]=70,
[ハヒ]=35,[フ]=1

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■ 編集後記

ということで、数学2B2014年第4問でした。

空間ということで、一目見た瞬間だけは難しそうに見えますが、実は簡単な
問題でした。ベクトルの知識がなくても半分。知識があれば全て正解するのも
難しくなかったはずです。


解説の間違い・不足や、何かリクエストなどありましたら、何でもいいので、
お気軽にご連絡ください。

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