2013年大学入試センター試験数学2B第4問 ベクトル

この記事では、2013年大学入試センター試験数学2B第4問を解説します。

なお、後日この記事は修正を予定しています。








★「青本」2019年数学★「赤本」2019年数学



■ 問題

第4問

 OA=5,OC=4,∠AOC=θである平行四辺形OABCにおいて、線分
OAを3:2に内分する点をDとする。また、点Aを通り直線BDに垂直な直線
と直線OCの交点をEとする。ただし、0<θ<πとする。
 以下、→OA=→a,→OC=→cとおき、実数tを用いて→OE=t→cと
表す。

(1) tをcosθを用いて表そう。

  →AE=t→c-→a,→DB=([ア]/[イ])→a+→c,
 →a・→c=[ウエ]cosθ

となるので、→AE・→DB=[オ]により

  t={[カ]([キ]cosθ+1)}/{[ク](cosθ+[ケ])} ・・・{1}

となる。

(2) 点Eは線分OC上にあるとする。θのとり得る値の範囲を求めよう。ただし、
線分OCは両端の点O,Cを含むものとする。以下、r=cosθとおく。
 点Eが線分OC上にあることから、0≦t≦1である。-1<r<1なので、
{1}の右辺のcosθをrに置き換えた分母[ク](r+[ケ])は正である。
したがって、条件0≦t≦1は

  0≦[カ]([キ]r+1)≦[ク](r+[ケ]) ・・・{2}

となる。

 rについての不等式{2}を解くことにより、θのとり得る値の範囲は

  π/[コ]≦θ≦([サ]/[シ])π

であることがわかる。

(3) cosθ=-1/8とする。直線AEと直線BDの交点をFとし、三角形
BEFの面積を求めよう。{1}により、t=[ス]/[セ]となり

  →OF=([ソ]/[タ])→a+([チ]/[ツ])→c

となる。したがって、点Fは線分AEを1:[テ]に内分する。このことと、
平行四辺形OABCの面積は[トナ]√[ニ]/[ヌ]であることから、三角形BEFの
面積は[ネ]√[ノ]/[ハ]である。


※分数は(分子)/(分母)、xの2乗はx^2、ベクトルaは→a、
マル1は{1}、マーク部分の□は[ ]で表記しています。


■ おすすめ問題集

2017年の大学入試センター試験数学1A2Bを詳細に解説しました。今回の問題にも活用できる項目があります。





まずは自力で解けるところまで解いてみてください。自分なりの考えを持ちながら
解説を読むと、考え方をスムーズに習得でき、短期間でも大幅に実力アップ!

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■ 解説目次

 ◆1 途中で寄り道しても→AB
 ◆2 まずは設定を確認
 ◆3 ベクトルの引き算は「終点-始点」
 ◆4 場所が違っても同じベクトル
 ◆5 ベクトルの絶対値は長さ
 ◆6 垂直なら内積がゼロ
 ◆7 わかったものを全部代入して
 ◆8 分数の値が1以下なら分子が小さい
 ◆9 左と右に分けて共通部分
 ◆10 指示通りに代入して計算
 ◆11 相似な三角形を作ってみる
 ◆12 平行四辺形は三角形の2倍
 ◆13 共通点のある三角形を探して

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■ 解説


 ◆1 途中で寄り道しても→AB

2013年も、数学2B第4問は、ベクトルについての問題でした。
まずは、ベクトルに関する基本的な用語と公式について確認しておきましょう!
「そんなの知ってるよ!」という人は、ここは飛ばしてもらってもOKです。

ベクトルは大きさと向きの両方の情報を持った数量です。      →
2点A,Bがあるとき、AからBへ進むことをベクトルABといい、ABと
表します。(ここでは以後ベクトルABは「→AB」で表すとする)

途中経過に関わらず、Aを出発し、Bに到達すれば→ABです。
AからBに一直線に進んだら、もちろん→ABですが、途中でCやDなどに寄り道
しても、やはり→ABです。

★ →AB=→AC+→CB

また、ベクトルは反対向きは符号が違うことで表します。つまり、

★ →AB=-→BA

|→AB|は、ベクトルABの絶対値で、→ABの、向きの情報を除いた部分、
つまり、長さ(大きさ)を表します。


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 ◆2 まずは設定を確認

では、早速今回の問題を見てみましょう!
まずは図を描きながら問題の内容を確認しましょう。

「OA=5,OC=4,∠AOC=θである平行四辺形OABC」とあります。

OAの方がOCより少し長い平行四辺形があるってわけですね。
角度は今のところわからないので、適当な大きさにしておきます。

続いて「OAを3:2に内分する点をD」とあります。

OA=5なので、OD=3,DA=2ですね。

さらに「点Aを通り直線BDに垂直な直線と直線OCの交点をE」とあります。

BDを結び、AからそのBDに垂直な直線を引き、そのまま延長してOCと交わる
点をEと書き入れます。

このとき「→OA=→a,→OC=→c」「→OE=t→c」とおいて、いろいろ
なことをやっていきます。


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 ◆3 ベクトルの引き算は「終点-始点」

(1)では、まずいくつかのベクトルと内積を表しています。

「→AE=t→c-→a」とあります。

Aを出発してEに到達する行き方はいくつもありますが、問題で設定したベクトル
を利用できる行き方は、A→O→Eですね。

つまり、→AE=→AO+→OEです。
→AOは→OAの逆向きなので、→AO=-→aです。よって、

→AE=-→a+t→c
   =t→c-→a

となります。

これは、ベクトルの引き算と考えると、よりスムーズになります。

「→AE=t→c-→a」なのだから、「→AE=→OE-→OA」ですね。

つまり、ベクトルの引き算は★「終点-始点」というイメージでOK!


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 ◆4 場所が違っても同じベクトル

次は→DBを考えます。
先ほどと同様に、ここではベクトルの引き算としてやってみましょう。

→DB=→OB-→OD

まだ表したことのないベクトルが出てきてしまいました。
これらを→a,→cで表す必要があります。

まず、→OBについて。
向きと大きささえ同じなら同じベクトルなので、→AB=→OC=→cです。

そして、点DはOAを3:2に内分するので、→OD=(3/5)→aですね!
ということは、

→OB=→OA+→AB=→a+→c,→OD=(3/5)→aなので、

   =→a+→c-(3/5)→a
   =(2/5)→a+→c

よって、[ア]=2,[イ]=5


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 ◆5 ベクトルの絶対値は長さ

→a・→cは、ベクトルaとベクトルcの内積を表します。

内積の公式は

★ →a・→c=|→a||→c|cosθ

ですね!
ベクトルの絶対値は、要するに長さなので、|→a|=5,|→c|=4です。
これらを内積の公式に代入すると、

→a・→c=5×4cosθ
     =20cosθ

よって、[ウエ]=20


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 ◆6 垂直なら内積がゼロ

そして、→AE・→DBについて考えます。

→AEと→DBは垂直に交わっています。
内積にはcosθが入っています。

→AE・→DB=|→AE||→DB|cos90°

cos90°=0なので、→AE・→DB=0となります。

よって、[オ]=0


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 ◆7 わかったものを全部代入して

◆3,4より、→AE=t→c-→a,→DB=(2/5)→a+→c
で、これらを→AE・→DB=0に代入すると、

 (t→c-→a)・{(2/5)→a+→c}
=t(2/5)→a・→c+t|→c|^2-(2/5)|→a|^2-→a・→c
={t(2/5)-1}→a・→c+t×4^2-(2/5)×5^2
={t(2/5)-1}20cosθ+16t-10

これをtについて解きたいので、tでくくると、

=t{(2/5)20cosθ+16}-20cosθ-10=0

移項して、

t(8cosθ+16)=20cosθ+10
         t=(20cosθ+10)/(8cosθ+16)
         t=(10cosθ+5)/(4cosθ+8)

この分子と分母を解答の形に合わせると、

t={5(2cosθ+1)}/{4(cosθ+2)} ・・・{1}

よって、[カ]=5,[キ]=2,[ク]=4,[ケ]=2

計算がちょっと大変でしたが、内積が0さえわかれば、単に代入して計算した
だけです。ベクトルが苦手な人も、まずはここまではできるようにしたいですね!


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 ◆8 分数の値が1以下なら分子が小さい

(2)は、「点EがOC上にある」「r=cosθ」として考えていきます。

まず、→OE=t→OCなので、「0≦t≦1」です。

0<θ<πなので、-1<cosθ<1から、「-1<r<1」です。

t={5(2cosθ+1)}/{4(cosθ+2)}の分母4(cosθ+2)の
「cosθをrに置き換え」ると、4(r+2)となります。r+2>0なので、
4(r+2)>0です。つまり「正である」と言えます。

tが1以下であるためには、分子が分母以下でなければいけません。
ということで、

0≦5(2cosθ+1)≦4(cosθ+2) ・・・{2}

となります。


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 ◆9 左と右に分けて共通部分

では、この{2}の式を解いてみましょう!

0≦5(2cosθ+1)≦4(cosθ+2)の左側部分より、

     0≦5(2cosθ+1)
     0≦2cosθ+1     ←両辺を5で割った
-2cosθ≦1           ←移項した
  cosθ≧-1/2

0<θ<πなので、0<θ≦(2/3)π

右側部分より

5(2cosθ+1)≦4(cosθ+2)
 10cosθ+5≦4cosθ+8  ←かっこを外した
    6cosθ≦3        ←移項した
     cosθ≦1/2

0<θ<πなので、(1/3)π≦θ<π

これらの共通部分は(1/3)π≦θ≦(2/3)π

よって、[コ]=3,[サ]=2,[シ]=3


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 ◆10 指示通りに代入して計算

(3)は「cosθ=-1/8」という条件で、三角形BEFの面積を求めて
いきます。

cosθの条件が変わっても、{1}の式はそのまま使えるようです。

t={5(2cosθ+1)}/{4(cosθ+2)}にcosθ=-1/8を代入
すると、

t=(10cosθ+5)/(4cosθ+8)     ←まずはかっこの中を展開
 ={10×(-1/8)+5}/{4×(-1/8)+8} ←ここで代入
 =(-5/4+5)/(-1/2+8)
 =(-5+20)/(-2+32)          ←分子と分母に4を掛けた
 =15/30
 =1/2

よって、[ス]=1,[セ]=2

t=1/2ということは、EはOCの中点ですね!


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 ◆11 相似な三角形を作ってみる

次は→OFを求めます。

→OF=→OA+→AFですね。→OA=→aは問題文にあるとおりですが、
→AFが今のところわかりません。

→AFを求めるにはいろいろな方法がありますが、ここではそのうちの一つを
紹介してみます。相似な三角形を作り、相似比を利用する方法です。

点Eを通り、OAに平行な直線を引きます。
この直線がBFと交わる点をG,ABと交わる点をHとすると、
△ABDと△HBGは相似で、EがOCの中点ならば、HもABの中点なので
相似比は2:1です。

ということは、GH=(1/2)AD=1です。
ならば、EG=5-1=4です。

△ADFと△EGFも相似で、相似比はAD:EG=2:4=1:2です。

ということは、点FはAEを1:2に内分し、→AF=(1/3)→AEですね。

問題文にあるように、→AE=t→c-→aなので、

→OF=→a+(1/3)(t→c-→a)
   =→a+(t/3)→c-(1/3)→a
   =(2/3)→a+(1/2)(1/3)→c
   =(2/3)→a+(1/6)→c

よって、[ソ]=2,[タ]=3,[チ]=1,[ツ]=6,[テ]=2


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 ◆12 平行四辺形は三角形の2倍

そして最後は面積です。
まず平行四辺形OABCの面積を求めましょう!

平行四辺形は三角形の2倍と考えることができます。

★ 三角形の面積S=(1/2)bc・sinA

なので、サインの値が必要です。いまcosθ=-1/8がわかっているので、

★ (sinθ)^2+(cosθ)^2=1を使ってサインを求めます。

(sinθ)^2+(-1/8)^2=1
  (sinθ)^2+1/64=1
       (sinθ)^2=1-1/64
       (sinθ)^2=63/64
         sinθ=√63/8=3√7/8

 平行四辺形OABC
=2△OAC
=2×(1/2)×5×4×(3√7/8)
=(15√7)/2

よって、[トナ]=15,[ニ]=7,[ヌ]=2


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 ◆13 共通点のある三角形を探して

いよいよ最後の設問、三角形BEFの面積です。

何通りも解き方は考えられますが、ここでは、△ABEを利用してみます。

△ABEは、ABを底辺と考えると、底辺も高さも平行四辺形OABCと同じ
です。ということは、△ABEの面積は、OABCの半分ですね。つまり、

△ABE={(15√7)/2}÷2
    =(15√7)/4

△BEFは、EFを底辺と考えると、△ABEと高さが共通で、底辺は同一
直線上にあります。ということは、底辺の比が面積の比になります。

AF:FE=1:2なので、AE:FE=3:2です。

ならば、△BEF=(2/3)△ABEですね!

△BEF=(2/3)(15√7)4
    =(5√7)/2


よって、[ネ]=5,[ノ]=7,[ハ]=2


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今回取り上げた問題の解説は以上です。理解できましたか?
できた人もできなかった人も、ここでいったん、解説の目次に戻って、解答に
至るためにはどんなことを考えて、何を利用すれば良いのか見直してください。
各小見出しが手がかりとなって、進むべき道がよりはっきり見えるはずです。
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■ 今回の公式・定理など

★ →AB=→AC+→CB (途中に他のところを通ってもベクトル和は同じ)
★ →AB=→OB-→OA (終点引く始点)
★ →AB=-→BA    (向きが変わると符号が変わる)
★ |→AB|は、ベクトルABの絶対値つまり、長さ(大きさ)
★ →a・→c=|→a||→c|cosθ
★ ベクトルの垂直条件 →a・→b=0
★ 三角形の相似条件 2組の角がそれぞれ等しい
★ 三角形の面積S=(1/2)bc・sinA
★ (sinθ)^2+(cosθ)^2=1
★ 高さが共通なら、底辺が面積比

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■ 解答一覧

[ア]=2,[イ]=5,[ウエ]=20,[オ]=0,[カ]=5,[キ]=2,[ク]=4,
[ケ]=2,[コ]=3,[サ]=2,[シ]=3,[ス]=1,[セ]=2,[ソ]=2,
[タ]=3,[チ]=1,[ツ]=6,[テ]=2,[トナ]=15,[ニ]=7,[ヌ]=2,
[ネ]=5,[ノ]=7,[ハ]=2

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■ 編集後記

ということで、数学2B2013年第4問でした。
火曜日は1A、金曜日は2Bを取り上げます。

今回も見た目は複雑な式があり、文章も長めで、難しそうに見える問題でした。
しかし、混乱せずに素直に進められれば、特に難易度が高いというほどの問題
ではなかったと感じてもらえたのではないかと思います。

解説の間違い・不足や、何かリクエストなどありましたら、何でもいいので、
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